オールド アブ アンバサダー 5001C
1950年台に登場したアンバサダーは,今なおその面影を残し現役で生産され販売されております。
それだけ完成度の高いデザインであると言えるのではないでしょう。
またオールドには現行品にはない独特の雰囲気があり、その雰囲気の虜になっている方も多いのではと思います。
かく言う私もその一人で、特に左ハンドルを好んで愛用しております。
オールドアブで、左ハンドルとなると、5001Cに限られてしまい、私はその個体はアンバサダーの中でも個人的に特にお気に入りのモデルです。
1972年から製造され、1981年にその生産は終了したとするのが一般的ですが真相は良くわかりません。
1982年モデルがある説等々諸所噂がありますが、今回はその5001Cの4つの代表的なモデルを紹介したいと思います。
各年代で微妙な違いがあり、それがまた興味をそそるのですが、あまり興味のない人にとってはドーデモ良い話となってしまいます。
興味のある方はどうぞ最後までお付き合いください。
1960年製 アブ アンバサダー 5000
まずは5001Cのベースとなる1960年代の5000 アンバサダーを軽く見てゆきましょう。
ボールベアリングも何もない1960年代製造のOLD 5000はこのような感じです。
エンブレムはシルバーの様に、直ぐに黒く酸化してしまいますが、また磨けば輝きます。
1970年代からは黒く酸化しないエンブレムに変更されておりますが、この黒くなるのも味があってよいですね。
レトロな感じです。
この頃のカップは波型リムです。
Line Carriagは 球形です。
カップ留めリューズは手で回すタイプで、スターホイールドラグは小型のタイプ。
1960年代 5000 についての詳細は下記ブログをご覧ください。
1972年モデル と 1973年モデル 比較
<リム>
1972年の5001は今までの波型リムから山型リムへと大きな変更がございました。
個人的には波型リムの方がレトロな感じで好きなのですが、残念ながら変わってしまいました。
1972年製リム: 山型リム
1973年製リム: 山型リム
<Line Carriage>
こちらは1960年台を継承した球形です。
やはりこの球形は一番好きな形です。
おそらく球形に仕上げるにはそれなりのコストがかかるため、現行品は縦線仕様になってしまったのではと憶測します。
1972年製Line Carriage: 球形
1973年製Line Carriage: 球形
<カップ留めリューズ、スターホイールドラグ>
1972年製はまだ1960年台を踏襲して手で締めるタイプです。
やはり古いほうがレトロな感じで1972年製がいいですね。
スターホイールドラグは小型で回しにくいタイプです。また現行品とは違いドラグを締める際に手前に回してドラグを強くするタイプで、現行品とは逆方向に回すのが特徴です。
1972年製カップ留めリューズ: 手で絞めるタイプ 写真左
1973年製カップ留めリューズ: マイナスドライバーで絞めるタイプ
(現行品と同じタイプ)写真右
1972年製 スターホイールドラグ: サイズが小さい
1973年製 スターホイールドラグ: サイズが小さい
<ハンドル>
こちらはいずれも19060年台を踏襲してショートツインタイプです。
非常に使いにくいので、即交換です。
ハンドルを外す際に、OILマーク入りのナットを外すのですが、この頃のモデルは
現行品左巻きとは逆方向に回して外します。
1972年製ハンドル: ショートツイン
1973年製ハンドル: ショートツイン
個人的にはハネダクラフトさんのハンドルが好きです。
<刻印>
いわゆるBIG A と言われるAの字が大きいタイプです。
1972年製 Ambassadeur 5001C: BIG Aの刻印が刻まれております、5001Cシールです。
1973年製 Ambassadeur 5001C: BIG Aの刻印が刻まれております、5001Cシールです。
1973年モデル と 1979年モデル 比較
<リム>
まだこの頃までは山型リムを継承しております。
1973年製リム: 山型リム
1979年製リム: 山型リム
<Line Carriage>
1973年モデルを最後に、残念ながら球形から縦線の入るバージョンにデザイン変更されてしまいました。
現行品よりは縦線はかなり少なく、オールド品と現行品では違うのですが球形の方が雰囲気があり、レトロな感じで好きでしたのでとても残念です。
1973年製Line Carriage: 球形 写真左
1979年製Line Carriage: 球形ではなく縦線の入るバージョン 写真右
<カップ留めリューズ>
1973年製カップ留めリューズ: マイナスドライバーで絞めるタイプ(現行品と同じタイプ)
1979年製カップ留めリューズ: マイナスドライバーで絞めるタイプ(現行品と同じタイプ)
スターホイールドラグ
このころからドラグのサイズが大きくなり、ドラグ調整がしやすくなりました。
現行品とは違い、手前に回してドラグを締めるのは変わっておりませんが・・
1973年製 スターホイールドラグ: サイズが小さい 写真上
1979年製 スターホイールドラグ: サイズが大きい 写真下
<ハンドル>
ハンドルもパワーハンドルで大型化し、回しやすくなりました。
しかしまだ強度は弱いのでしょうが・・・
1973年製ハンドル: ショートツイン
1979年製ハンドル: パワーハンドル
<刻印>
まだ変更は無しで。
1973年製 Ambassadeur 5001C: BIG Aの刻印が刻まれております
5001Cはシールです。
1979年製 Ambassadeur 5001C: BIG Aの刻印が刻まれております
5001Cシールです。
1979年モデル と 1981年モデル 比較
<リム>
ここで、ついにリムの形状が変更されました。鍋型リムと言われるリムです。
1979年製リム: 山型リム 写真左
1981年製リム: 鍋型リム 写真右
<Line Carriage>
ここでも縦線本数の少ないバージョンを継承です。
1979年製Line Carriage: 球形ではなく縦線の入るバージョン
1981年製Line Carriage: 球形ではなく縦線の入るバージョン
<カップ留めリューズ 、スターホイールドラグ>
1979年製カップ留めリューズ: マイナスドライバーで絞めるタイプ(現行品と同じタイプ)
1981年製カップ留めリューズ: マイナスドライバーで絞めるタイプ(現行品と同じタイプ)
1979年製 スターホイールドラグ: サイズが大きい
1981年製 スターホイールドラグ: サイズが大きい
<ハンドル>
1979年製ハンドル: パワーハンドル
1981年製ハンドル: パワーハンドル
<刻印>
1981年製になると刻印が変わってきます。
1979年製 Ambassadeur 5001C:BIG Aの刻印が刻まれております
5001Cシールです。
1981年製 Ambassadeur 5001C: BIG Aではなく普通の刻印となり、
シールは無くな普通の刻印となりま
した。
当時非常にマイナーな存在である左巻き オールド アンバサダー 5001Cは10年近く製造されてきました。
10年近くも同じモデルをゆっくりと変化して進化して、マイナーチェンジの歴史を垣間見れかと思います。
それぞれのモデルには各自、その年代の雰囲気があり私はウイスキー片手にリールを酒の肴にしております。
YouTubeでも、5001Cについて動画アップしてます。よろしければ覗いてみて下さい。
最後まで有難うございました。