ダイワミリオネアV
1973年、国産初の、本格的なベイトキャスティングリール、ミリオネアV(ファイブ)とミリオネアG-5が発売されました。
ミリオネアVは、日本国内と海外にも輸出され、特に当時アブアンバサダーのドル箱市場であったUSAに輸出されておりました。
一方、ミリオネアG-5は、日本国内専用モデルとして、ミリオネアVの上位機種として販売されました。
当時の価格は
ミリオネアVが7800円
ミリオネアG-5が9800円
であったようです。
ミリオネアG-5は釣りキチ三平の 「O池の滝太郎」編で、三平君が使ていた有名なリールです。
大卒の初任給が5万円から6万円程の物価であったので、今の感覚では、その4倍くらいの価格でしょう。
ミリオネアV(ファイブ)のファイブは、アブの5000を意識して付けた名前でしょうね。
アブ アンバサダー 5000Cのコピー
このミリオネアVは、USAダイワの意向で作られたようです。
USA市場で、売るにはアンバサダー5000Cと同程度の品位のリールが必要とのことで、開発したのがこのリール。
当時、アブアンバサダーは、世界一の経済大国で、且つ、ルアーフィッシングの盛んなUSAマーケットが主力でした。
1960年代には累計100万台を販売するほどの勢いでした。
そこに、5000C をコピーしたダイワミリオネアVがアンバサダーの半値以下の価格で、販売されました。
ダイワさんがコピーしたので、とてもよくできたリールであると思います。
自重330g
ギヤ比:3.5:1
遠心ブレーキ
サイズ、ギヤ比までコピーされています。
しかも、性能は、アンバサダー5000Cとさほど変わらないクオリティー。
地際に、OHして、このリールを触っていると、とても品位は良いと思います。
当時のアブ社は、安価にコピーされ、とても怒っていたのでしょうね。
裁判になったとの噂まであります。
外観
5000Cと並べると、よくわかりますが、サイズ感、スクリューの位置、キャスコンと同じ仕様。
明らかに、アンバサダーのクレストマークを意識した、このエンブレム。
帆船王冠マークです。
このエンブレムは、これ以外にも、蛇柄、獅子柄の全部で3種類あったそうです。
クラッチの位置も同じ。
レベルワインダーも球形で同じ。
ドラグホイールは、5本で丸みを帯びたタイプで、ミリオネアVの方が、少しサイズが大きいです。
リューズは、笠型リューズです。
遠心ブレーキの材質は、アンバサダーとは違いますね
スプールも見た目は同じですが、若干アンバサダーとサイズが違うのか、このスプールをアンバサダーに取り付けることはできませんでした。
しかし、アンバサダーのスプールはミリオネアVに装着可能。
もちろん、アベイルの軽量スプール(5000C用)もミリオネアVには装着可能。
<アベイル アブ アンバサダー5000C用マイクロキャストスプール>
コグホイールを止めるスクリューはプラススクリューで、ここはアンバサダーのマイナスとは少し違います。
ボールベアリングも、しっかりと、樽型ボールベアリングを使用しております。
フレーム、レベルワインダーもアンバサダーとほぼ同じ。
ここのスクリューもプラスとなっております。
フリクションワッシャーもアンバサダーと同じです。
メカニカルプレートも、アンバサダー5000Cとそっくりさんです。
ドラグは、ドラグ音がしないタイプです。
メインギヤは少し違いますが、クラッチ機構などは、アンバサダーそっくりです。
こちらのサイドプレートもそっくり。
このように、アンバサダー5000Cとそっくりなので、アンバサダーのパーツが色々流用できそうです。
ミリオネアVを、アベイルパーツで、改造も可能と思われます。
中々、フルチューンミリオネアVを見たことがないので、何時か改造してみたいですね。
このミリオネアVは、YouTube動画でも公開しております。
動画の方がより細かく解説していますので、よろしければ覗いてみてください。
<ミリオネアV 紹介編>
<分解洗浄編>
<組み立て、5000Cとの互換性編>
<電子書籍リーダーキンドル>
<釣りキチ三平 8巻 O池の滝太郎>
<釣りキチ三平 9巻 O池の滝太郎>
最後までありがとうございました。