ヤマワークスチューニング
カーディナル3シリーズをチューニングしてくれる、ヤマワークスさん。
ただのパーツのポンつけではなく、調整、オリジナルパーツへの交換と独自ノウハウでカーディナルをより扱いやすく改造してくれます。
今回、マミヤ時代のカーディナル33をチューニング依頼いたしました。
問題の多い カーディナル33 マミヤOP 復刻版
この復刻版カーディナルは何かと問題の多いリールです。
その為、ノーマルのままでは使い物にならないリールかと思います。
特にひどいのが、糸巻き形状です。
プリン状態を通り越して、富士山状態でした。
また、ベールスプリングも巻き数が1巻き少なく、良く折れるようです。
ベール下がりも酷く、糸ヨレが酷そうです。
また、ベールワイヤーとラインローラー支持部の接合が甘いために回転するそうです。
実際に動かしてみると、やはり回転しますね。
このように問題が多いマミヤ復刻版 カーディナル33ですが、自分でIOSパーツを組み込んでみました。
しかし、少し良くはなったのですが、すべての問題を解決することはできず、、、、、。
ここはプロにお任せしようとヤマワークスチューンを決意しました。
プロショップオオツカ
ヤマワークスさんに直接チューニング依頼することはできません。
プロショップオオツカ 熊谷店が窓口となっております。
そちらに、電話、メールで問い合わせるとチューニングの受付が可能です。
基本、カーディナル3シリーズのみしか受けて受けていないので、4,6,7シリーズは対象外です。
純正パーツの入手が難しいことが理由のようです。
改造済カーディナル
既に改造済のリールを依頼する場合は、プロショップオオツカさんに改造箇所の詳細を伝えてください。
元に戻してほしい箇所、純正パーツが必要である場合があります。
私は、既に多数改造済のカーディナル33を依頼するにあたり、一部ノーマルに戻してから発送してほしいとのご依頼がありました。。
<カーディナル33 改造箇所>
・IOS カナリアバネシステム
・IOS Cシステム
・IOSラインローラー
・IOSハンドルノブ
・IOS強化ベイルスプリング
この内、カナリアバネシステムとCシステムはノーマルに戻してからの発送いたしました。
この2か所は、ヤマワークスさんで手が加えられるので、IOSパーツであるとダメなようです。
その他パーツはそのままでも良いとのことです。
上記パーツは、いずれもパーツ的には良いパーツであると思います。
特に交換したカナリアバネシステムなどは巻きが軽く、品の良い音色で素晴らしかったのですが、ヤマワークスチューンするので致し方なくノーマルに戻しました。ヤマワークスチューンをしないのなら是非お勧めしたいパーツです。
IOSラインローラー、ベイルスプリングは交換しなくても良いとのことで、性能的にはヤマワークスさんもOKという事なのでしょう。
ハンドルノブは、性能には関係ないのですが、見た目、触り心地が最高です。これは是非装着してみてください。
Cシステムは現在、廃盤となっており、新品での入手は難しパーツです。
納期、料金
私は、2021年3月上旬にチューニング依頼を致しましたが、約3ヵ月の納期でした。
時期により納期は変わりますので、確認された方が良いかと思います。
基本料金は税別で12100円
交換が必要なパーツがある場合場別途費用が掛かります。
また、運賃も実費発生致します。
交換パーツ
・フリクションワッシャー
・ステーショナリーワッシャー
・ドラグワッシャー
・トリップレバースクリュー
・ローターを固定するナット
・A/Rスプリング
これらパーツは交換されておりました。標準工賃に含まれております。
その他、私のマミヤ版はベールワイヤーが交換されました。
これは、別途料金がかかりました。
1320円であったかと。
マミヤ復刻版以外ではかからない費用かと思います。
改造箇所
ドラグ作動の安定化
ここは、大幅に改造が加えられています。
1:フリクションワッシャー
ノーマルは、カーボン製らしく黒いワッシャーが2枚装着されていましたが、ヤマワークスでは、フェルト製の白いワッシャーが2枚装着されています。
さらに、1枚、白い樹脂製のワッシャーが1枚追加されています。
2:ステーショナリーワッシャー・ドラグワッシャー―
何故か純正品から交換されています。正直何が違うのか明確にわかりませんが、何となくヤマワークス製のステーショナリワッシャー、ドラグワッシャーの方が、少し薄いような気がします。
ドラグ力を測定
ドラグ力を測定してみると、4.2かりました。カーディナル3でこれだけ出ていれば必要十分なドラグ力かと思います。
ドラグチューンの詳しい内容はYouTube動画で詳しく紹介していますのでそちらも覗いて見てください。
ローターとスプールの干渉回避
トリップレバーを固定する、スクリューと、ローターを固定するナットが、ヤマワークス製の小ぶりなタイプに交換されています。
トリップレバーを固定するスクリューは、とても薄くなっています。
ローターを固定するナットは、薄く、径も小さくなっています。
純正は14mmにたいし、ヤマワークス製は12mmです。
その為、お助け君2号は使用できないです。
これらに交換されることで、並行巻きチューンをした際に、スプールと干渉しやすくなる欠点を改善しています。
ノーマルで既に干渉している個体もありますので、それももちろん改善されます。
スプールが干渉する音は、耳障りです血、巻き抵抗にもなるので助かるチューニングです。
ローターのクリアランス調整
これは、正直どのように改造されているのかは明確には分かりません。
もしかしたら、塗装がはがれた痕跡から、ボールベアリングが装着されている箇所を削っているのかもしれません。
この調整をすることで、並行巻きになるように改善されているかと思います。
カーディナル33 マミヤ版は特に後ろに酷いテーパーがつきますので、必須チューニングです。
糸巻形状の平行巻き化
プリン状になる問題を解決するチューニングです。
一般的には、ローターと、BBの間にワッシャーをかましてプリン状態を改善するのが簡単なチューニングなのですが
ヤマワークスではその手法ではないです。
正直どのように、この改造をしているんかは定かではありません。
秘密のチューニングなのでしょうか?
ただ、ウオームシャフトが、かなりローター側に来ている様な改造が施されているので、これがヒントなのかもしれません。
そして、実際に糸を巻いてまいてみました。まだ少し、プリン状態ですね。
0.6mmEリング交換
カーディナル33には、3個Eリングが使用されています。
スプール、メインギヤ、A/Rノブ
サイズの違うEリングが使用されているケースがあるようで、全て0.6mmになるように交換されているようです。
ラインよれ軽減調整(サービス箇所)
これは、おそらく、ベール下がりを改善していると思われます。
私のカーディナル33は、ベール自体が不良品でああった為交換されました。
改造前は酷いベール下がりでした。
ベールを交換することと同時に、トリップレバーを若干上方向に曲げることで、ベール下がりを改善していると思います。
参考までにヤマワークスチューン前のベールは下記です。
通常、ヤマワークスさんでは、保証は1年なのですが、この個所は補償対象外のようです。
曲がった、トリップレバーが元に戻りやすいのでしょうか???
コネクティングリンク部シム追加
メインギヤと、コネクティングリンク部を連結させている箇所に、白い樹脂製のシムが2追加されて1枚追加されています。
下記写真ではわかりませんが、YouTube動画で詳しく紹介していますのでよろしければ見てくださいね。
ブログの終わりにリンクを貼っておきます。
また、シャフトとコネクティングリンク部が結合されている箇所にも、小さな白い樹脂製のシムが2個装着されています。
おそらく、がたつきを抑えてシャキッと回転するようにしているかと思います。
コネクティングリンクのカシメ調整
コネクティング部のカシメが強すぎたり、弱すぎたりする個体があるようなので、再度カシメ、適度に動くように調整されています。
ヤマワークスA/Rスプリング
A/Rスプリングをヤマワークス特性品に交換することで、巻き抵抗の低減と、カリカリ音を小さくします。
軽快にハンドルを回せるようになり、とても良いフィーリングになるパーツかと思います。
昔は、純正のA/Rスプリングを調整して、軽快なハンドルフィーリングにしていたようですが、A/Rスプリングの個体差が大きく均一なチューニングが難しいようで、自分でパーツを作ってしまった様です。
ボールベアリング交換
これは、標準で交換されてしまいます。
問題の無いオールベアリングでも交換されるのではと思います。
消耗品ですからね。
その他改造
IOS強化ベイルスプリング
純正品は、巻き数が少なく折れやすいので、交換したほうが無難かと。
また、スプリングにはグリスをしっかり塗ったほうが摩擦抵抗が減り折れにくくなるようです。
IOSアジャスタブルハンドル
カーディナルのデザインを損ねることなく、改造できるハンドルです。
IOSウッドノブ 花梨
質感の高いノブ。木目がカーディナルとよく合います。
IOSラインローラー
カーディナルの定番品かもしれませんね。BBなしですが、良く回転し、PEにも対応。
アベイルプリテクティングリング
質感が向上するとともに3.5gの軽量化。
アベイルチタン64スクリュー
チタン製で強度があるので、ネジをナメにくいスクリュー。軽量化も。
まとめ
このように、ヤマワークスチューン、独自チューンをいたしましたが、やはりカーディナルはカーディナルです。現代のリールには到底性能面では及びません。
しかし、扱いは確実にしやすくなったかと思います。
性能よりも、このデザインとクラシカルな雰囲気を楽しみたいと思います。
YouTubeでもこの内容の動画をアップしています。
前編、後編とありますので、よろしければ覗いてみてください。
<前編>
<後編>